流山児祥オフィシャルブログ『祥 MUST GO ON!』

公演情報
楽塾創立20周年記念公演
『すももももももモモのうち』


【作】佃典彦
【演出】流山児祥
【出演】
〈楽塾〉
いそちゆき 河内千春 川本かず子 桐原三枝 阪口美由紀 佐野眞一 関口有子 高野あっこ 辻洋子 内藤美津枝 二階堂まり 西川みち子 平山郁子 みかわななえ 村田泉 めぐろあや
〈流山児★事務所〉
流山児祥 柏倉太郎 山下直哉 森諒介 星美咲 橋口佳奈 竹本優希

【日程】
2017年5月3日(水・祝)〜6日(土)

【会場】座・高円寺2(東京都)

【チケット】
指定席(一般) 3,500円ほか
3月3日(金)より発売

【お問合わせ】
流山児★事務所
TEL:03-5272-1785(平日13時〜17時)
E-MAIL:mail@ryuzanji.com


だいこん・珍奇なゴドー
だいこん・珍奇なゴドー



【作】戌井昭人
【演出】流山児祥
【音楽】栗木健
【振付】北村真実
【出演】
塩野谷正幸、佃典彦、伊藤弘子、月船さらら、山崎薫、栗原茂、谷宗和、大久保鷹、土井通肇
佐藤華子、里美和彦、冨澤力、柏倉太郎、平野直美、星美咲、橋口佳奈
演奏/栗木健、諏訪創

【日程】
2017年3月15日(水)〜22日(水)

【会場】ザ・スズナリ(東京都)

【チケット】
指定席(一般) 4,000円

公演詳細はこちら
流山児★事務所
2017年度新人募集
《二次募集》
劇団で活動することに興味がある人を募集します。

【募集人員】
6名 (俳優・スタッフ・制作)
18歳以上35歳未満。
国籍不問。心身ともに健康な男女

【第一次審査:書類選考】
以下を流山児★事務所まで郵送してください。
(1)履歴書(連絡のつく電話番号とメールアドレスを記載のこと)
(2)写真1点(バストアップ)
(3)作文「流山児★事務所に入団してやりたいこと」(400字程度)
応募〆切:2017年4月5日(水)必着

【第二次審査:実技・面接】
書類選考通過者のみ、連絡いたします。
審査日:2017年4月8日(土)午前
※実技審査料3,000円は当日持参のこと。
※スタッフ・制作は面接のみ(無料)です。

【入団後の活動】
流山児★事務所の活動に準じていただきます。
優秀な新人は劇団公演、海外公演などに参加できます。

【入団後の費用】
(1)入団金:50,000円
(2)研修費+稽古場維持費:月額10,000円(月納)
※入団1年後には稽古場維持費:月額5,000円のみとなります。

【お問合せ・応募先】
流山児★事務所 新人募集係
〒162-0045 東京都新宿区馬場下町60番地 まんしょん早稲田307
TEL:03-5272-1785(平日13時〜17時)
E-MAIL:mail@ryuzanji.com
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「キネマと怪人」連日満員で無事折り返しました。
今日のビッグニュース!北京にいる劇団員の小森谷環が久し振りに娘と一緒にSpace早稲田にやってきた。春節で里帰りらしい、佐藤華子も娘のニキを連れて、事務所に生後2ヶ月の娘を預けて観劇。うん、いいことである。30年劇団やっているとこんな嬉しいこともある。

でもって、昨日と今日は記録映像班が小劇場に6台のカメラを仕込み、2日間に渡って撮影。「西遊記」に続いて。天井、花道、上下6台のミニカメラ。はたして、いかなる映像に仕上がるのか?

それにしても昨日・今日と2日続けて近所で踊りの振付中の楽塾の「女の平和」の稽古場へ顔を出し稽古。
いや、流石に疲労困憊となる。

それにしても、「キネマと怪人」メチャクチャ面白い音楽劇と評判のようです。「阿部定の犬」同様、アングラの面白さがここに来て評判を呼んでいる《現実》。残り7ステージ疾走します!

◎「すげぇ芝居でした・・・。アングラという、受け手による答えの出し方が難解な謎なぞ。今回はオーディエンスとして、視覚や聴覚以外の"内臓"で感じる舞台だったように思います。いやしかし・久々にこんなに体力を消費する芝居観たわ・・・」(小笠原涼)

◎「先日見た「キネマと怪人」、実に40年振りの再演だが、演出にブレがなく戯曲の持つイメージを間然とする所なく紡ぎだしていて沸き上がるイメージの乱舞は万華鏡のよう、初演の時の感動に負けることのない新しい現在の「キネマと怪人」として巍然屹立していた」(渡辺修:俳優)

メチャ面白い注目の音楽劇。
Space早稲田へ来たれ!『キネマと怪人』爆走中である。

【前売最新状況】8日(月)午前0時現在。

本日: 8(月)19時「残席僅少」
10(水)19時「大いに余裕アリ」
11(木)14時「残席僅少」
12(金)「大いに余裕アリ」

@Space早稲田
地下鉄東西線「早稲田駅」の1番出口から徒歩1分ほどで到着です。1番(神楽坂駅寄り)出口をお間違えないようお気をつけ下さい。
◎当日券の発売は開演の1時間前。「充分」ございます。

※ 今すぐ予約→https://www.quartet-online.net/ticket/kinema?m=0abjg
※問合せ:03−5272−1785(流山児★事務所)
2016-02-07 23:39 この記事だけ表示
様々なる「劇評」  
これも、とっても素敵な劇評です。ありがとうございます。

BY渡辺修(俳優)

先日見た「キネマと怪人」、実に40年振りの再演だが、演出にブレがなく戯曲の持つイメージを間然とする所なく紡ぎだしていて沸き上がるイメージの乱舞はまるで万華鏡のよう、初演の時の感動に負けることのない新しい現在の「キネマと怪人」として巍然屹立していたといっても言い過ぎではないと思う。

それに答える役者陣もまた皆力のこもった好演で、彼等の描き出してくるイメージに、ただ陶然として身を委ねていればよかった。そして彼等の芝居に対する誠実さに敬意を表せざるを得ない感激の舞台だった。関わる全員が全力で40年前の戯曲に挑み、その誠実さで見事に勝利を獲得したのだ。

そしてつい、嗚呼、あれから40年かという感慨にとらわれずにいられない。

当時黒テントの団員だった劇研の先輩川合さんが、昭和三部作のポスターに軍服姿で描かれていたのも懐かしい思い出。

「キネマと探偵」書き換え最終版としての「キネマと怪人」が上演された1976年は、劇団第七病棟が「ハーメルンの鼠」で旗揚げした年であり、参加はしたものの未だ卒業も出来ずにいた僕の朦朧として蒙昧たる演劇人生の始まりの年でもあった。 嗚呼。

1970年は終戦から25年、戦場から命からがら生き延びて戻って来た時20代だった僕の親父たちの世代は、あの時四十代から五十代か。いくら社会が高度成長による戦後からの脱却を目指そうが、個々人の戦争の記憶はまだまだ鮮明だったはず。まして世界では東西の代理戦争があちこちで起きていたのだし。

目を凝らせば、街のあちこちに「戦後」はまだ少し残っていた。
だからこそ、「キネマと怪人」の溥儀、満州映画、甘粕、最終映画=最終革命等々のガジェットが今よりはアクチュアルなメタファーとして確固とした意味を持っていた。

あの時黒テントは「真冬の商業演劇」と言っていたな。

今、演劇は真夏なんだろうか。真冬を通り越して氷河期なんだろうか。暖冬かな。

でも今回の芝居は熱かった。
2016-02-07 20:37 この記事だけ表示
様々なる「劇評」その4

BY いっちの演劇大好き

熱気とパワー溢れるアングラ演劇!流山児★事務所『キネマと怪人』

「喜劇・昭和の世界」シリーズの第1弾『阿部定の犬』は何度かリピート出来たけど、今回は今日しか観ることが出来なくて。
観終わった瞬間“あー、もう1度観たかった…”と心底思うほど、今回も楽しませていただきました。

私が観たのは夜公演でしたが、今日は2回公演だったそうで。
そのせいもあったんでしょうか、劇場内の熱気とパワーが半端なかった!!
『阿部定の犬』もそうだったけど、今回の『キネマと怪人』も全然古臭くなくてむしろこれぞアングラ!というものを十二分に堪能しました。

これは私が感じたことなので違うと思う方がいたらごめんなさいなんですが(;^_^A、前回の『阿部定の犬』が“爆笑できる喜劇”だとすると、今回の『キネマと怪人』は“クスッと笑える喜劇”なのかなぁと。なんかねクスッと笑えて“この楽しさ、誰にも教えたくないなぁ”というか(笑)。

それでいて風刺もかなり効いている。
楽しさと風刺が両立するなんで…佐藤信さんって本当にすごい!
『阿部定の犬』にも出てきた「ご町内3人組」松島さん@山下直哉さん・厳島さん@宮崎惠治さん・天橋立さん@佐野陽一さん)は出てきた瞬間に“いよっ!待ってました!”って感じだったし(笑)『阿部定の犬』で主人公の“わたし”を好演&熱演した山崎薫さんは今回も主人公の“波子”を文字通りの体当たりで好演&熱演!!

私、山崎さんの情感のこもったお芝居、大好きなんですよね〜♪
神在ひろみさんの美声もたっぷり聴けたし、流山児★事務所期待の女優陣(山丸莉菜さん・佐原由美さん・廣田裕美さん)も随所で大活躍…なんかもう私得やら眼福やら耳福やら(笑)。

でも今日1番美味しいところをかっさらっていったのは、フロント係の佐藤さん@龍昇さん・ボイラーマンの山中さん@流山児さん・ボーイの竜さん@井村昴さんの御大お三方!!

今回1976年に『キネマと怪人』が初演された時と同じ役を演じていらっしゃる井村さんのヌンチャクさばきは素晴らしくカッコよかったし(←上半身、脱いだら筋肉隆々! 驚)、流山児さんはいつもながら熱唱してたし(笑)、龍さんの飄々淡々としたお芝居は味わい深かった。

やっぱりお三方のような御大が元気だと、舞台上も生き生きしてきますね(^^)。

返す返すも今日しか観れないのが悔しくてたまらない(>_<)!!
ホントに面白いですよ、マジで!
2016-02-07 00:57 この記事だけ表示
『キネマと怪人』愈々中日、連日「満員」折り返しになりそうです。この3ステージ当日券が伸びて連日満席で上演中です。昨夜は爆笑、拍手の渦で、アングラ全盛時代のような客のノリであった。これでいい!芝居も良かった。国内外から多くの人が早稲田にやってきてくれている、感謝。台湾、韓国、ロシア、盛岡、札幌、秋田、大阪etc.。昭和三部作第1弾『阿部定の犬』に次ぐ、大ヒット《予感》の中日です。ぜひ、ふらりと早稲田までおいで下さい。

キネマと怪人:評G「ベテラン俳優のみなさんたち、なんというか燻銀的アングラ演技とでもいったらいいのかな、それぞれの歳月の積み重ねをみせつけてくれました。
感慨一入。」(朝比奈尚行:音楽家・時々自動主宰)

【最新前売状況】
本日:6日(土)14時「残席僅少」
      19時「大いに余裕アリ」←超オススメ!
    7日(日)14時「余裕アリ」←超オススメ!
   8日(月)19時「残席僅少」
   10日(水)19時「大いに余裕アリ」←超オススメ!
   11日(木)14時「残席僅少」

※ 当日券は開演1時間前より発売します。充分用意してあります 。
 @Space早稲田(地下鉄早稲田駅1番出口右へ1分)

※ 予約→https://www.quartet-online.net/ticket/kinema?m=0abjg
※03−5272−1785(流山児★事務所)
2016-02-06 09:44 この記事だけ表示
2日続いて「超満員」の「キネマと怪人」元気に爆走中です!

昨夜の 終演後のアフタートークも大好評。
黒テントの服部吉次さんも、急遽、参加してくれて1976年初演時のことや日本列島縦断興行=旅する演劇、集団創作の現場の話など盛りだくさんな話をする。
西沢演出のすごさも再認識した。

見逃すな!アングラの自由さが「ここ」にある!
これって、実は、凄いことなのである。
ニンゲンが「自由」に「そこ」に「いる」ってことは!

「キネマと怪人」満員爆走中です!
みなさんからアングラエンターテインメント音楽劇!と、大好評、嬉しい限り。
『阿部定の犬』と並ぶ大ヒット作!!となる予感。いま、小劇場が熱い!

ということで、例によってこの写真の宮崎さんの言「うれしいことに、毎日評判がいい。劇評もいいしね。信さんのテキストの力が、大きい。そして、やっぱり「阿部定の犬」を経験しているのが大きい。正直、もう、観れないですよ。この素晴らしいアングラ芝居。日本の演劇史に残る黒テント「昭和三部作」。革命の演劇。演劇の革命。今、僕が、黒テントにいて誇りに思う。この凄さを、是非、観に来てください。」です!!

福島の劇作家:シゲさんから美味しいイチゴが届く。ありがとうございます。
『キネマと怪人』8日目です!残り10ステージ。
『阿部定の犬』同様、超満員爆走が始まる予感?

【前売状況】
本日:2月5日(金)19時「余裕アリ」
     6日(土)14時「残席僅少」
         19時「大いに余裕アリ」
     7日(日)14時「余裕アリ」
     8日(月)19時「残席僅少」
     9日(火)休演
 10日(水)19時「大いに余裕アリ」
     11日(木)14時「残席僅少」
     12日(金)19時「大いに余裕アリ」
     
※ 当日券は開演1時間前より発売します。充分用意してあります 。
ふらり、Space早稲田へ(地下鉄早稲田駅1番出口右へ1分)

※ 予約は→https://www.quartet-online.net/ticket/kinema?m=0abjg

2016-02-05 01:04 この記事だけ表示
というわけで。本日:2月4日(木)19時の回終演後アフタートークを開催します。トークゲストは1976年黒テント初演時もボーイ:竜(ロン)役で出演していた少年王者舘の井村昂さん。

70年代アングラ御三家と呼ばれていた劇団黒テントの活動、昭和三部作、アングラって何?って感じのトークを演出家:西沢栄治さんと語ります。

「キネマと怪人」がいかに1970年代の若者を熱狂させたかが分かるエピソードがある。「キネマと怪人」の上演時、下北沢の「本多劇場建設予定地」には、連日1000人!の観客が黒テントに詰め掛けたのである。佐藤信と黒テントの「運動の演劇」は、アングラは時代の寵児たちであったのである。
早稲田の地下の小劇場=Space早稲田にご来場下さい。因みにSpace早稲田は六本木にあったアンダーグラウンドシアター:自由劇場とほぼ同じ空間です。いや、ホント。名作『あたしのビートルズ』『鼠小僧次郎吉』『上海バンスキング』を生んだ劇場です。

「キネマと怪人」連日満員の客席に、なぜか、演劇評論家各氏も次々と詰め掛けている。さすが70年代アングラ「運動の演劇」の名作上演。小田島恒志、江森盛夫、梶繁男、若手の藤原央登といった論客。感想は一応にテキストの強さの指摘。時代と演劇言語・表現の熱量溢れる拮抗がここにある。私的世界だらけの現代演劇の衰退を逆照射している。

「喜劇昭和の世界」第2弾「キネマと怪人」本日7日目、あと12ステージ!!

ぜひ、ご来場下さい!Space早稲田でお待ちしています。
※当日券は「充分」ございます。
開演の1時間前に発売開始です!

4日(木)19時「残席僅少」
5日(金)19時「余裕アリ」
6日(土)14時「残席僅少」
   19時「大いに余裕あり」

流山児祥への予約は→https://www.quartet-online.net/ticket/kinema?m=0abjg
2016-02-04 15:11 この記事だけ表示
様々なる「劇評」その3
BY 江森盛夫(演劇評論家)・・・・「演劇袋」より。

「キネマと怪人」評
作:佐藤信、演出:西沢栄治、
音楽:諏訪創、振付:スズキ拓朗、
制作:日本劇団協議会
「日本の演劇人を育てるプロジェクト」@Space早稲田

 この「キネマと怪人」は「喜劇昭和の世界・三部作」の第二部として、「阿部定の犬」に続いて1976年に68/71黒テントによって上演された。

これは佐藤信の代表作だとされている作品で、初演は新井純の主演でそれこそワクワクして観た舞台だった。

鈴木忠志の早稲田小劇場、唐十郎の状況劇場と並ぶ、アングラ3劇団のなかで黒テントはその都会的センスが際立っていて、そのセンスで昭和の日本の断面を、ばさっと切り出す佐藤の手腕は素晴らしいものだった。

今回の舞台は、そういうオールドファンの記憶とは、ずいぶんと異なるが、演出の西沢が、音楽の諏訪、振付のスズキと合同して、見事に西沢流にこの芝居を現代に蘇らせた。

この芝居、怪人二十面相、探偵明智小五郎を狂言まわしに、さまざまなタイプの昭和の変人、みょうちきりんがでてきて、さらにその人物群を回遊させる天皇や満州の皇帝などが出てくるが、西沢は人物や事件を、戯曲のシーン々をひたすら演劇的な効果に集約させて、見事なバーレスクに仕立て上げた・・。

だから、この芝居に確定的な中心ともいうべきものはないのだが、”観ていて面白い”ことが成立していて、そのなかにアングラ生き残りの井村昂、流山児祥、龍昇が昭和の息吹を吹き込んで、この芝居が「昭和」はいかに面白い時代で、現在がいかにつまらない時代かを自ずと感じる人間もいることにもなり、さらに重ねるが見事な「アングラ復活劇」だった。

様々なる「劇評」その4

BY 東郷公徳(上智大学教授)
「流山児さんの『キネマと怪人』を観て来ました。
強力なナンセンスのブルドーザーに踏み潰されて仕舞った気分です。
昭和でアングラな世界に興味のある方は必見です。
14日までやっているそうです。
説明がつかないものが苦手な人には不向きです。
劇場は東西線の早稲田駅から徒歩1分です。」
2016-02-03 23:23 この記事だけ表示
様々なる「劇評」その2

これまた素敵な「劇評」です。

BY 今村修(演劇評論家)

「金魚鉢の中で、幻の満州国が、偽の昭和が燃える。」

昨夜は、日本劇団協議会・日本の演劇人を育てるプロジェクト新進演劇人育成公演「音楽劇 キネマと怪人」(作=佐藤信、演出=西沢栄治)@Space早稲田。「喜劇昭和の世界」シリーズの第2弾として、68/71黒色テント(現黒テント)が1976年に初演した、国家、革命、死、エロス、暴力、笑いといったイメージが乱舞する直球ど真ん中のアングラ劇。40年の時を経て、早稲田の小さな地下空間にその熱量があふれた。

私ごとだがこの作品、生まれた初めて目の当たりにしたテント芝居だった。確か仙台の西公園。悪場所を覗くような、一種後ろめたさも伴うワクワク感で分け入ったテント空間。ストーリーは何だかよく分からないが、いかがわしくてにぎやかで猥雑でエネルギッシュな何だかすごいことが行われていることは体でわかった。そして、終幕テントの横が開いて、外の景色が一気に飛び込んできた。本火の火の輪をライオン姿の役者が跳び潜っている。公園の桜から花吹雪が舞っていたような気がするが、それは興奮のあまりの記憶の改竄かもしれない。それくらい一気に持って行かれた。そして今に至る。ちょっとお芝居が好き程度だった大学生の人生を狂わせた罪≠ネ作品だ。

ここは多分満州国、ホテル「ひばりが丘」(ヒバリーヒルズ)。そこで起きた殺人事件をきっかけに、明智小五郎(坂本篤)にライオンの小林少年(甲津拓平)、容疑者扱いされた石鹸売りのジェームス・ディーン(五島三四郎)らを巻き込んだ謎解きが進む。これが縦糸。そこにホテルの支配人・浪子(眞藤ヒロシ)や人気女優の波子(山崎薫)をフィーチャーして撮影中の「最終映画」のエピソードが横糸として絡み、豪華絢爛にして怪しさ満載の悪夢の満州国≠ェ織り上げられていく。

金魚、鰯、キリン、セミ┄┄┄┄。劇中には様々な生き物が何やらのシンボルらしく登場する。中でも多彩な意味をまとわせられているのが赤い金魚だ。それは時に、娼婦たちの緋縮緬にも見え、ある時には理不尽に殺された人々の血の赤にも見える。そして、金魚鉢を掲げた皇帝(里見和彦)が「金魚に乗りたい、金魚が喰いたい」とつぶやく時、それは世界地図で大陸のそばに赤く塗られたどこぞの島国のことかとも思えてくる。だとすれば、ラジオから流れてくるセミたちは「ミンミン」ではなく「民民」と鳴いているのだろうか。

だが、そんなことにいちいちかかずらわっていてはハイテンポで進むストーリーに置いていかれる。万華鏡のようなイメージの乱反射に頭がクラクラする。そして映画へのオマージュとサービス精神にあふれている。東西の名画をもじった言葉遊び、軍装の麗人・川島芳子や満映の立役者ともなった甘粕大尉を彷彿させる濤子大尉(神在ひろみ)の造形。「ドラゴン怒りの鉄拳」もかくやの大立ち回り(井村昂、龍昇、流山児祥)┄┄┄┄。

「喜劇昭和の世界」ではおなじみのご町内の三人組(山下直哉、宮崎恵治、佐野陽一)らによる、ポップなソング(音楽=諏訪創)もにぎやかにドラマを彩る。

「朝には一匹、昼には二匹、夜には百匹の金魚、なあんだ」の謎々の答えは? 「最終映画」とは果たして何か? なみこ≠ヘなぜ増殖するのか?

 謎が謎を呼ぶ展開の中からグロテスクに頭をもたげてくるのは、国家≠ノまつわる暗く膨大な情熱だ。満州国建設。そしてそれに利用されたふりの皇帝≠ェひそかに抱く野望。だが、侵略の上に築こうとする「五族共和の王道楽土」など、しょせん映画と同様、夢まぼろし、虚構でしかない。

「最終映画」はラストシーンで高らかに「革命」を宣言するが、それに対して浪子は「永遠の生命を永らえるはずだった昭和の映画が、もし先に滅びてしまうとしたら┄┄┄┄昭和よ、お前という時代は、もう決して終わりはしない」と呪いの言葉を投げつける。そして、その呪いは今、劇場の外で着々と現のものになっている。呪いは予言だったのだ。

多少のテキストレジーはあるものの、この盛りだくさんの戯曲を1時間45分で走り抜けた演出・西沢の脚力に感服。キラキラする感性がまぶしい山ア、艶やかな軍服姿に見惚れと鮮やかな口跡に聞き惚れる神在ら、溌剌とした若手を中堅、ベテランが遊びながら支える。多少力任せの部分も目につくが、アングラの精神に触れ、面白がり、それを引き継ごうという意欲が伝わってくる舞台だ。(敬称略)
2016-02-02 13:43 この記事だけ表示
昨夜は「キネマと怪人」初演チームと記念撮影した。その写真では、わたしが信さんに帽子を上げて!といったところを撮られてしまって。だから、私は横向いて写ってしまった。

作家の佐藤信さんと初演にジェームスディーンを演じた伊川東吾氏(あの映画「ラストサムライ」などの国際俳優でロイヤルシェイクスピアカンパニーにも出演している)そして、フロント係:佐藤役の根本和史さんも来場した。井村昂さん、そして、元黒テント評議会議長:演劇評論家:佐伯隆幸さんといった5人の黒テントメンバー《再会の日》でもあった。

それにしても「満員」の客席は「演劇評論家」大集合でもあった。
渡辺保、木村隆、斉藤偕子、七字英輔、佐伯隆幸、今村修、小山内伸、鈴木太郎といった人々。今村さんに初演のチケットを見せてもらった。保さんも、木村さんももちろん初演を見ている。40年の時を超えて「キネマと怪人」は演劇の力=アングラの魅力を教えてくれる。評論家の皆さんの「40年」の時を超えた「劇評」が読みたいものだ。早速、今日今村さんがfacebookに書いてくれている。今村さんが学生時代仙台ではじめて見たのが黒テントの「キネマと怪人」だったのである。

信さんが「初演より面白かった」と嬉しそうに言ってくれた。ある意味、自分の作品を客観的に観れる楽しさをいっているのであろう。伊川さんとロンドンのことを暫し話す。裕作さんが「怪人20面相」の日本酒を差し入れ。酒宴は遅くまで続いた。わたしは裕作さんと来年の作戦会議。アングラの祭りを夢想中!

「キネマと怪人」あと2週間、14ステージである。
一気に駆け抜けようぜ!

【日程と会場と前売状況】
2016年1月29日(金)〜2月14日(日)
@Space早稲田(地下鉄早稲田駅1番出口右へ1分)
※当日券は「充分」ございます。
開演の1時間前に発売!ふらりと早稲田まで。

2/2(火)19:00「大いに余裕アリ」
2/3(水)14:00「残席僅少」
2/4(木)19:00☆アフタートーク「余裕アリ」
2/5(金)19:00「大いに余裕アリ」
2/6(土)14:00「残席僅少」、19:00「余裕アリ」
2/7(日)14:00「余裕アリ」
2/8(月)19:00「余裕アリ」
2/9(火)休演
2/10(水)19:00
2/11(木・祝)14:00
2/12(金)19:00
2/13(土)14:00、19:00
2/14(日)14:00

【チケット】
全席自由(入場整理番号付)
一般3,500円(当日3,800円)
U25・学生割引3,000円 高校生以下1,000円
上演時間1時間50分。
小さな劇場(70席)です、
予約はお早めに!

☆日本劇団協議会主催新進演劇人育成公演〜俳優部門〜☆
【作】佐藤信
【演出】西沢栄治
【音楽】諏訪創
【振付】スズキ拓朗

【出演】
山崎薫
神在ひろみ
山下直哉、山丸莉菜、五島三四郎、佐原由美(以上、流山児★事務所)
井村昂(少年王者舘)
宮崎恵治(黒テント)
眞藤ヒロシ(フレンドスリー)
佐野陽一(サスペンデッズ)
阪本篤(温泉ドラゴン)
龍昇(龍昇企画)
栗原茂、甲津拓平、里美和彦、廣田裕美、流山児祥(以上、流山児★事務所)

舞台写真:.横田敦史

流山児祥への予約は→https://www.quartet-online.net/ticket/kinema?m=0abjg
2016-02-02 10:30 この記事だけ表示
様々なる「劇評」その1

素敵な「劇評」が出ました。
BY山田勝仁(演劇ジャーナリスト)

昨日はSPACE早稲田で「音楽劇 キネマと怪人」(作=佐藤信、演出=西沢栄治)

 黒テントの「喜劇・昭和の世界三部作」の第二弾として1976年に初演された作品。

 シリーズ第1作目の「阿部定の犬」は、東京市日本晴区安全剃刀町オペラ通り三文横丁という架空の町を舞台に、二・二六事件と阿部定事件をモチーフに、一足早く「昭和の終わり」を描いた作品だったが、「キネマと怪人」(当初は『キネマと探偵』)は、高架脇の安ホテル「ひばりヶ丘」(ヒバリーヒルズ)を舞台に、幻の満州帝国と現代ニッポンを往還しながら、再び、終わらせるべき「昭和」を描いた性と死の革命劇。

 マリリン・モンローと石鹸のセールスマン、ジェームス・ディーン(五島三四郎)がホテルのベッドでむつみ合い、座頭市とブルース・リーが、そして明智小五郎(阪本篤)と怪人二十面相が対決する。助手の小林少年(甲津拓平)はなぜかMGMのライオンに。

 井村昂、龍昇、流山児祥の合わせて199歳の老年トリオは舞台狭しと華麗な(?)殺陣を披露する。
 往年の大女優の妄執を好演する眞藤ヒロシ、満州皇帝溥儀の里美和彦の異形…。すべては映画監督(栗原茂)の作り出す妄念か…。
 もつれたフィルムから浮かび上がる、これぞアングラという破天荒なイメージの連鎖が小さな空間を圧倒する。

「阿部定の犬」で一足先に崩御した天皇は「キネマと怪人」では登場人物たちの死を見届けるかのようだ。

 今回は特に女優陣の華やかさに目を奪われる。
 波子を演じた山ア薫の可憐なヒロインぶりに思わず胸が高鳴る。濤子大佐の神在ひろみの男装の麗人の凛々しさよ。山丸莉菜、佐原由美、廣田裕美の七変化の可憐さも眼福。

 民衆の悪意を象徴する山下直哉、宮崎恵治、佐野陽一のご町内三人組の怪演が笑いを取る。

 スピーディーでリズムがあり、抑揚が効いている西沢演出はジェットコースターのよう。オリジナルは3時間超だったというが、今回は戯曲そのままで1時間45分。初演時は斎藤晴彦がサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」を歌い通したこともあって、おそらく歌の部分が長かったのだろう。
 
 佐藤信はこの時33歳。このような豊饒な「ことば」と「身体」と「イメージ」の劇を想像・創造した当時のアングラ演劇がいかに並外れた水準だったかがわかる。
 
 そして、この先達が格闘した時代が今も何も変わらず、それどころかさらに劣化してしまったことにガク然とする。あゝ喜劇・平成の世界!
 
 11日まで上演中。

流山児祥への予約は→https://www.quartet-online.net/ticket/kinema?m=0abjg
2016-02-01 13:29 この記事だけ表示